石灰硫黄合剤

有効成分 多硫化カルシウム 27.5% (全硫化態硫黄 22.0%)
性状 黄赤色澄明水溶性液体
毒性 普通物
有効年限 5 年
包装
(1ケース)
18ℓ バッグインボックス入り
10ℓ バッグインボックス入り

特徴

  1. 殺虫・殺菌の両作用があり、特に果樹の越冬病害虫防除にも高い効果を示します。
  2. 有機農産物の日本農林規格(有機JAS)に適合する農薬です。

用病害虫と使用方法

作物名 適用病害虫名 希釈倍数 使用
時期
本剤の使用回数 使用
方法
石灰硫黄合剤を含む
農薬の総使用回数
果樹類 ハダニ類、サビダニ類 80-200倍 夏期 散布
20-40倍 冬期
落葉果樹 カイガラムシ類、ハダニ類、縮葉病、越冬病害虫 7-10倍 発芽前
りんご 腐らん病 10倍 休眠期
うどんこ病、モニリア病 40-140倍
黒星病 7倍 発芽前
なし 黒星病
もも 縮葉病、胴枯病、黒星病
うめ 縮葉病 8倍
すもも・あんず ふくろみ病 140倍
すぐり うどんこ病 80-140倍
くり 芽枯病 20-40倍 発芽前
かき 黒星病、うどんこ病 100倍
みかん ハダニ類、そうか病、黒点病 80-200倍 夏期
かいよう病 20-40倍 冬期
ヤノネカイガラムシ 60-80倍
たらのき 胴枯病 7倍 発芽前
麦類 赤かび病 50-60倍
さび病、うどんこ病 40-140倍
ハダニ類、サビダニ類 80-200倍 夏期
ハダニ類 20-200倍 冬期
サビダニ類 20-40倍
びゃくしん 赤星病 40倍
まつ ハダニ類 20倍 新梢発生前
カイガラムシ類 7-10倍
胴枯病 7倍 発芽前
作物名 使用目的 希釈倍数 使用時期 本剤の使用回数 仕様方法 石灰硫黄合剤を含む農薬の総使用回数
りんご 摘花 100-120倍 満開後 2回 立木全面散布

注意点

  • 0℃以下での保管は避けてください。
  • 御使用前に必ず「使用上の注意」をお読みください。

効果・薬害等の注意

  • ※適用作物群に属する作物またはその新品種に本剤をはじめて使用する場合は、使用者の責任において事前に薬害の有無を十分確認してから使用すること。なお、普及指導センター、病害虫防除等関係機関の指導を受ける事が望ましい。
  • りんごふらん病への休眠期散布は、秋季根雪前および春季発芽前に枝幹が十分ぬれるように行う。《胴洗い、黒木消毒》散布適期は地域により異なるので防除基準に従い、病害虫防除等関係機関の指導を受ける。
  • 展着剤を加用し、調整液は速やかに使用する。
  • 混用、散布間隔については次の注意を守る。
    • 強アルカリ性なので分解し易い薬剤《有機りん剤等》との混用はしない。
    • 強アルカリ性の薬剤《ボルドー液》、および銅製剤やマシン油乳剤との混用もさける。《薬害》
    • ボルドー液散布後、本剤の使用は2~3週間以上の間隔をとる。《薬害》
    • マシン油乳剤散布後では、本剤の使用まで1ヶ月以上間隔をとる。《付着性劣化・効果減退》
    • 青酸ガスくん蒸後の本剤散布は2週間位の間隔をあける。
  • りんご摘花剤として使用する場合。
    • 第1回散布は満開期(腋芽を除く中心花および側花の7~8割が開花した日)、第2回散布は前回の3~4日後。・開花が長引く場合は、第1回散布を満開2~3日後にしたり、1~2回散布を追加する。
    • ミツバチ放飼園では散布前に回収する。・本剤の摘花剤としての使用には、病害虫防除所等関係機関の指導を受けることが望ましい。
  • 次の条件化では下記の注意を守る。《薬害》
    • 高温で日照の強い時は早朝か夕刻に散布する。
    • 高湿時や樹勢の弱い園では散布をひかえるか濃度を薄めにする。
  • 落葉果樹に対する発芽後の散布では薬害を生じやすいので、濃度、樹勢、気象等の諸条件に注意する。《薬害》
  • 茶の摘採前50日以内の散布はさける。特に春季の番茶用として摘採する茶園では50日前であっても使用しない。《残臭による品質低下》
  • 蚕に対して影響があるので、桑に使用後30日間は蚕に桑葉を給餌しないこと。
  • 酸性物質(リン酸第一石灰、リン酸第一加里等の酸性肥料等)との混用・混入は絶対しない。《有毒な硫化水素ガス発生》
  • 大理石、御影石、自動車、壁等の塗装面に掛からないようにする。《塗装汚染》万一かかった場合は、すみやかに水洗いすること。
  • 強アルカリ性のため、噴霧器、その他の器具などを腐食しやすいので、作業後は使用した噴霧器、その他の器具を十分洗浄する。

安全使用上の注意

  • 本剤は強アルカリ性のため、取扱には十分注意する。特に皮膚、眼などをおかしやすいので皮膚にふれないように、又、眼に入れないよう十分注意する。
  • 街路、公園等で使用する場合は、散布中及び散布後(少なくとも散布当日)に小児や散布に関係ない者が散布区域に立ち入らないように縄囲いや立て札を立てるなど配慮し、人畜等に被害を及ぼさないよう注意を払う。
  • 水産動植物(甲殻類)に影響を及ぼす恐れがあるので、河川養殖池等に飛散、流入しないように注意して使用すること。
  • 薬剤が直接皮膚につき、そのまま放置すると炎症を起こすことがあります。直接皮膚に触れた場合は、直ちに石鹸で洗う。
  • 散布液調整時、又散布中はマスク、不浸透性手袋、メガネ、長ズボン、長袖の作業衣などを着用する。
  • 作業後は顔、手足等の皮膚の露出部を石けんでよく洗い、清水で洗眼し、うがいをする。
  • 作業時に着用した衣服等は他のものとは分けて洗濯する。
  • 万一誤飲の際は、吐かせないで、直ちに医師の手当てを受けさせる。使用中に異常を感じた時は直ちに医師の手当てを受ける。眼に入った場合には直ちに十分水洗し、眼科医の手当てを受ける。
  • 空容器は散布液調整時によく洗い(洗浄液は散布液に入れる)その都度お住まいの自治体の区分に従い適切に処理する。
  • 0℃以下の場所に保存すると結晶析出の恐れがある。万一結晶が析出した場合は、使用前に温かい室内に移動するか、所定量の水で希釈して、結晶を溶解させてから使用する。

保管・・・食品と区別する。直射日光を避け密栓し、冷暗所に。